腎臓にやさしい生活習慣を知ろう
[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 特任教授 土谷 健 (つちや けん)先生プロフィール
生活習慣病・メタボリックシンドロームと腎臓病
高血圧や糖尿病等の「生活習慣病」や、患者数の増大が社会問題となっている「メタボリックシンドローム」は、腎臓病を引き起こすリスクが高いことが知られています。
メタボリックシンドロームとは、高血圧、糖尿病、脂質異常症を2つ以上合併している状態のことをいい、複数の異常が重なるメタボリックシンドロームは、腎臓への負担をさらにかけることになります。
腎臓病と悪循環の関係にある生活習慣病やメタボリックシンドロームを予防・改善することで、腎臓病をはじめとするさまざまな病気の予防につながります。
生活習慣病やメタボリックシンドロームの改善には、適度な運動習慣を生活に取り入れることが大切です。
国内の腎臓病医療の中枢的役割を担う日本腎臓学会は「腎疾患の生活指導ガイドライン」を作成し、腎臓病の程度に応じた日常生活における運動、働き方などの活動の目安を示しています(表)。
日常に適度な運動を
腎臓病の発症や進行の予防には、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善が重要であり、適度な運動が欠かせません。病状にもよりますが、可能な範囲で、毎日の生活の中に積極的に運動を取り入れることが望ましいでしょう。
ただし、腎臓病が進行している患者さんでは、運動が制限される場合もあるので、主治医と相談して運動内容を決めてください。
腎臓病の1つにADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)という遺伝性の病気があります。腎機能を低下させる遺伝性の腎臓病について、気になる方、知りたい方はここをクリック。