本コンテンツは腎臓病食の一例を紹介しております。摂取可能な栄養量については、患者さんごとに異なっております。ご自身が摂取可能な量については、主治医にご相談ください。
塩分とタンパク質を控えた腎臓病食でありながら、旬の素材を取り入れたおいしいメニューをお届けします。今月は、西クリニックの管理栄養士・中山理恵さん監修による腎臓病食をお楽しみください。
冬の定番の家庭料理は鍋ものですが、まとめて作ることが多いために自然と食べる量が多くなり、カロリーや塩分を多く取り過ぎてしまう傾向があります。それでも寒い冬は満足感のあるおいしい料理を存分に楽しみたいもの。今回は見た目にも満足できる、ボリューム感たっぷりの腎臓病食をご紹介します。素材はすべて身近なもので、どなたでも簡単に作れるものばかりです。ぜひお試しください。
もやし入り牛ステーキ
薄切り肉にもやしを加えてボリューム感ある一品に
腎臓病食はボリューム感に欠けると感じている方におすすめなのが、もやし入り牛ステーキ。食物繊維が豊富なもやしを牛肩ロースの薄切り肉で巻くことで“ステーキ風”に仕上がります。焼いている間に牛肉の旨みとにんにくの風味がもやしに染み込み、口の中で肉汁がジュワッと広がります。牛肉の味わいと、もやしの歯触りを楽しみながらお召し上がりください。
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<材料>
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1
もやしはひげをとると、よりおいしくいただけます。
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3
ラップを肉の上にかけ、軽くたたいて肉を伸ばします。
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4
もやしに火が通っているので、表面に色がつけば焼き上がりです。
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7
バランスよく器に盛って完成です。
材料
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牛肉(和牛)肩ロース・脂無
80 g
もやし(緑豆)
80 g
にんにくのみじん切り
適宜
醤油(こいくち、下味用)
1 g
料理酒
適宜
塩
0.3 g
こしょう(黒)
適宜
片栗粉
3 g
サラダ油
2 g
バター
5 g
醤油(こいくち)
6 g
じゃがいも
60 g
コーン(冷凍)
20 g
レタス
適宜
- 作り方
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1もやしは電子レンジで3分間加熱してから適当な長さに刻み、にんにくと醤油で下味をつける。
2まな板にラップを敷いて牛肉を広げ、塩、こしょう、料理酒で下味をつける。
32に片栗粉をまぶしてからラップをかけ、めん棒でたたいて伸ばす。
43の上にもやしを入れて包み、サラダ油を敷いたフライパンで焼く。
54を取り出したフライパンにバターと醤油を入れ、ひと煮立ちさせる。
6器に盛った肉にを5かける。
7ゆでておいたじゃがいも、コーン、レタスを添える。
ホットグリーンサラダ
冬が旬の緑黄色野菜をホットでヘルシーに
冬が旬のブロッコリーは、β-カロテンやビタミンB群、ビタミンC、Eを多く含むほか、カルシウムや鉄などのミネラル、食物繊維も豊富で、栄養面で大変優れた野菜です。また、オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減少させ、さらに緑黄色野菜のビタミンやミネラルの吸収を助けてくれるといわれています。
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<材料>
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1
ゆですぎないよう、さっと火を通す感じで。
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2
オリーブオイルをかけて温かいうちにいただきます。
材料
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ブロッコリー
30 g
グリーンアスパラガス
20 g
さやえんどう
10 g
オリーブオイル
5 g
塩
0.3 g
- 作り方
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1沸騰したお湯に塩を加え、ブロッコリー、グリーンアスパラガス、さやえんどうをゆでる。
21をざるにとって器に盛り、オリーブオイルをかける。
ロールパン(マーガリン・ジャム添え)
パンを主食に、いつもと違う食卓を楽しむ
日々の腎臓病食でこれまでご紹介してきたメニューはご飯を主食としてきましたが、今回はパンを主食にしました。もやし入り牛ステーキとも相性がよく、ちょっとおしゃれな洋風の献立に仕上がります。ただ、パンには塩分が含まれますので、市販のものを買うときには栄養成分表示をチェックしてください。あんぱん、クリームパン、クロワッサン、ロールパンは、比較的塩分が少なめです。低タンパクパンもおすすめします。
材料
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ロールパン(2個)
60 g
マーガリン
5 g
いちごジャム
10 g
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マーガリンといちごジャムを添えて。
監修
中山 理恵
CKD診療や透析を行う専門クリニックで、長年にわたり管理栄養士として、個別にきめ細かな栄養指導を実践。食の楽しみを奪われがちな透析患者さんに、限られた予算でできるだけおいしい食事を提供したいと、日々研鑽を積んでおられます。他院で食事の辛さを経験し、食べ歩いた透析患者さんからも高い評価を得ています。