本コンテンツは腎臓病食の一例を紹介しております。摂取可能な栄養量については、患者さんごとに異なっております。ご自身が摂取可能な量については、主治医にご相談ください。
今回も引き続き西クリニック、管理栄養士・中山理恵さんによる、ご家庭で無理なく実践できるメニューをご紹介します。普段の食事にちょっとしたアレンジを加え、塩分とタンパク質を控えた腎臓にやさしい夏のメニューをご用意しました。
減塩や低タンパクに徹することは大切なのですが、あまり規制がありすぎると継続できません。長続きさせるためには、手軽に取り入れることができる“ちょっとした工夫”の必要性を感じます。そこで、今回も一般的な家庭の食事に少しだけ手を加えることで、腎臓病の患者さんも食べられるようにしたメニューを選んでみました。
毎日の食事を楽しみにしている患者さんに満足していただけるよう、バリエーションを工夫しながら、毎回ご提案ができればと思っています。
つくねの照り焼き
タンパク質ひかえめの鶏ひき肉で、ボリュームある一品を
比較的タンパク質の少ない鶏ひき肉を使い、レンコンなどの火を通しても小さくならない野菜を加えることで、焼いても縮まずにボリュームを出すことができます。レンコンは食感が楽しめるよう、ちょっと大きめに刻むと、歯ごたえがあり満腹感も得られます。ツヤツヤと焼きあがったつくねに、彩りよい夏野菜が加わった食欲をそそる一品です。みそをきかせ味付けがしっかりしており冷めてもおいしいので、お弁当にもぴったりです。
この料理の栄養量
エネルギー | 236 kcal |
水分 | 123.3 g |
タンパク質 | 15.6 g |
カリウム | 387 mg |
カルシウム | 32 mg |
リン | 111 mg |
食塩 | 1.0 g |
<材料>
3
肉の臭みが気になる人は、ここでしょうがをお好みで入れると気にならなくなります。
4
蒸し焼きにしたら、合わせた調味料をつくねの周りではなく、上にかけてまんべんなくからめるとおいしく出来上がります。
付け合わせの野菜は、素揚げする代わりに少量の油で炒めたものでもおいしくいただけます。
材料
-
鶏ひき肉
60g
玉ねぎ
20g
レンコン
10g
みそ(米) 淡色辛みそ
2g
卵(全卵)
6g
パン粉
6g
しょうが
適宜
サラダ油
5g
醤油(こいくち)
4g
砂糖
2g
料理酒
適宜
トマト
15g
オクラ
5g
ナス
20g
黄ピーマン
10g
サラダ油
2g
- 作り方
-
1トマトは適当な大きさに切り、オクラは茹でておく。ナスと黄ピーマンは素揚げするか、油でさっと炒めておく。
2玉ねぎは粗いみじん切りにし、レンコンを玉ねぎより大きめのみじん切りにする。
3
1と鶏ひき肉、みそ、卵、パン粉、臭み消しにお好みでしょうがを加え、粘りが出るまでよく混ぜる。
4
2を俵型に丸め、サラダ油をひいたフライパンで両面に焼き色をつけ、料理酒をふりかけてふたをして蒸し焼きにする。
5醤油、砂糖、料理酒を混ぜ合わせたものをつくねの上にかけ、煮詰めながらまんべんなくからめる。
6器に
1の野菜とともに盛り付ける。
大根とさつま揚げの炒め煮
さつま揚げのコクとうまみで、野菜をもっとおいしく
さつま揚げのうまみを活かした炒め煮です。さつま揚げ自体は塩分が高めなので少量にし、にんじんとコンニャクを入れて、かさを増して見た目にもメリハリを付けました。味付けをする際は、砂糖、水、醤油の順にすると味の染み込みが違います。
この料理の栄養量
エネルギー | 59 kcal |
水分 | 73.3 g |
タンパク質 | 1.7 g |
カリウム | 128 mg |
カルシウム | 28 mg |
リン | 21 mg |
食塩 | 0.6 g |
<材料>
4
中火でじっくりと水分がなくなるまで煮詰め、味をしっかり染み込ませます。
5
それぞれの素材をバランスよく盛り付け、出来上がりです。
材料
-
大根
40g
にんじん
8g
コンニャク
20g
さつま揚げ
10g
サラダ油
3g
水
適宜
醤油(こいくち)
3g
砂糖
1g
料理酒
適宜
唐辛子(七味)
適宜
- 作り方
-
1大根とにんじんは皮をむき、下茹でしてから、いちょう切りにする。
2さつま揚げは湯通し、コンニャクはあく抜きして薄切りにする。
3大根を炒め、透き通ってきたらにんじんとコンニャク、さつま揚げを入れさっと炒める。
4水と調味料を加え、弱めの中火で炒め煮にする。
5水分がなくなり、大根に竹串が通るくらいの柔らかさになったら火を止め、器に盛り付け、上から七味をかける。
いんげんのピーナツバター和え
ピーナツバターを用いた、ひと味違った減塩メニュー
いんげんというとごま和えが一般的ですが、今回ご紹介するのはピーナッツバター味。
いつもの味とはちょっと違い、濃厚で箸が進みます。今回は粒有タイプのピーナッツバターを用いて、ピーナッツの食感が楽しめるものとなっています。また、にんじんを加えて彩りを添えました。
この料理の栄養量
エネルギー | 53 kcal |
水分 | 42.5 g |
タンパク質 | 2.2 g |
カリウム | 161 mg |
カルシウム | 28 mg |
リン | 40 mg |
食塩 | 0.3 g |
<材料>
材料
-
さやいんげん
40g
にんじん
5g
ピーナツバター(粒有タイプ)
5g
醤油(こいくち)
2g
砂糖
2g
- 作り方
-
1さやいんげんは筋を取り好みの固さに茹で、冷水にとり3cmくらいに切る。
2にんじんは皮をむいていちょう切りにし、茹でておく。
3ピーナッツバター、醤油、砂糖を混ぜ合わせ
、
と甘酢しょうがを和え器に盛る。

監修
中山 理恵
CKD診療や透析を行う専門クリニックで、長年にわたり管理栄養士として、個別にきめ細かな栄養指導を実践。食の楽しみを奪われがちな透析患者さんに、限られた予算でできるだけおいしい食事を提供したいと、日々研鑽を積んでおられます。他院で食事の辛さを経験し、食べ歩いた透析患者さんからも高い評価を得ています。