CT
CTとは、コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)を略した呼び方です。体にエックス線を照射してデータ化し、それをコンピューターで処理することで体の断面の画像を見ることができます。
検査をするときは、CT装置の台に仰向けになって寝て、その台を少しずつ移動させながら撮影します。検査時間はおよそ5〜15分程度で、痛みのない検査法です。
超音波検査より精度が高く経過観察に適しています。一方で、造影剤を使用しないと嚢胞がはっきりしない場合もあるため、腎機能障害のある患者さんには行いにくい検査です。
GFR(糸球体濾過量)
eGFR(推算糸球体濾過量)
腎臓は糸球体(しきゅうたい)で血液を濾過しています。すなわちGFR(糸球体濾過量)は、腎臓が血液を濾過して老廃物を尿中に排泄する能力をあらわしています。
その目安になっているのが血清クレアチニン値です。筋肉でできる老廃物のクレアチニンは、血液を介して腎臓から排出されています。腎臓の機能が悪くなるとクレアチニンが体内に溜まっていきます。このクレアチニンの値を測ることで、腎臓にどれくらいの老廃物処理能力があるかを判断できます。実際にGFRを測定するとなると、蓄尿などの手間がかかるので、一般的に血清クレアチニン値に年齢、性別を考慮した計算式で求められたeGFR(推算糸球体濾過量)を用います。慢性腎臓病(CKD)の指標としても使われています。
MRA
MRAは、磁気共鳴血管造影(じききょうめいけっかんぞうえい)(Magnetic Resonance Angiography)という検査の略称です。
磁気共鳴という物理現象を応用して、頭部の血管を立体画像化して、診断できる検査法です。痛みもなく安全に検査することができます。
くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の有無をスクリーニングするための検査に用いられます。
ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)は、脳動脈瘤破裂が一般より高い確率で起こります。MRAなどを用いて定期的に検査をすることが重要です。
MRI
MRIとは、磁気共鳴画像診断装置(Magnetic Resonance Imaging)の略称です。磁力と電磁波を利用して人体の断面図を撮影することができます。頭から足先まで全身にわたり精度の高い画像で詳しく調べることができます。MRIはCT(コンピューター断層撮影法)と違い、エックス線を使わないので、放射線被ばくの心配がありません。検査のときに工事中のような「ガンガン」という大きな音がしますが、痛みは伴いません。ただ、強い磁場の中に入るので、妊娠している可能性のある方や、ペースメーカー、人工関節、手術用クリップなど金属が入っている方は検査ができない場合があります。
超音波検査やCTよりも精度が高く、直径1mm程度から嚢胞を検出できるといわれています。造影剤を使用せず、さまざまな撮影条件により、出血嚢胞、感染嚢胞などの質的診断もある程度可能です。