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第8回 東京都在住Iさん

病気についての情報収集をしっかり行い、理解を深めて治療に取り組めば、必要以上に悲観的になる必要はありません。未来への希望を持って、これからも変わらずマイペースで人生を過ごしていきたいですね。

病気についての情報収集をしっかり行い、理解を深めて治療に取り組めば、必要以上に悲観的になる必要はありません。未来への希望を持って、これからも変わらずマイペースで人生を過ごしていきたいですね。

ご家族が多発性のう胞腎(ADPKD)を発症していたために、前々から病気に関する知識を十分に得ていたIさん。ご自身がADPKDと診断された後も、常に冷静に状況を見極め、積極的に治療に取り組んでいます。自分のできることを無理なく行いながら、自然体で日々の生活を楽しむIさんにお話を伺いました。

ご家族が多発性のう胞腎(ADPKD)を発症していたために、前々から病気に関する知識を十分に得ていたIさん。ご自身がADPKDと診断された後も、常に冷静に状況を見極め、積極的に治療に取り組んでいます。自分のできることを無理なく行いながら、自然体で日々の生活を楽しむIさんにお話を伺いました。

Q どのような経緯でADPKDであることを知りましたか? Q どのような経緯でADPKDであることを知りましたか?

38歳の秋、自宅で休日を過ごしていた時にくも膜下出血で倒れ、近くの病院へ救急搬送されました。幸いにも処置が早く、手術は成功し、後遺症もなく済みました。しかし、1カ月間の入院生活中に血尿が出るようになり、腹部のMRI検査を受けたところ、ADPKDを発症していることが明らかになりました。

Q それまで、ADPKDという疾患についてはご存知でしたか? Q それまで、ADPKDという疾患についてはご存知でしたか?

実は私の父がADPKDであり、すでに人工透析を行っていました。また、私には姉が2人いますが、長姉もADPKDを発症して人工透析を受けている状態でした。そのため、この病気の存在のこと、そして遺伝性であることも知っていました。

Q ADPKDと診断された時、どのように思いましたか?また、ご家族はこの病気をどのように受け止めていますか? Q ADPKDと診断された時、どのように思いましたか?また、ご家族はこの病気をどのように受け止めていますか?

今でも、父にだけは私が発症したことを伝えていません。透析治療の負担になるといけませんし、長姉に続いて私にも遺伝したという事実は父にとって大きなショックだと思いますから。私自身はというと、“ついに来たか”と、正直ショックではありました。しかし、ADPKDについては以前から情報収集を行い、どんな病気であるのか、どのような症状が起こるのか、そして遺伝性であることなど、ある程度の知識は持っていました。そのためか、自分が発症したことに対する驚きはありませんでした。父や長姉も同じ病気ですから、家族は驚いてはいませんでした。

Q ADPKDと診断された後の生活はいかがでしたか?大変だったことなどがあればお聞かせください。 Q ADPKDと診断された後の生活はいかがでしたか?大変だったことなどがあればお聞かせください。

私の場合、ADPKDと診断されるより先にくも膜下出血で入院したため、改めてADPKDについて専門に診てもらえる病院を探すのが大変でした。退院してすぐに、まずは父が以前にかかっていた病院を受診してみたところ、検査の結果、当時はまだ血液も尿も正常値であったため、医師からは「会社の健康診断などで数値に異常が表れたら、その時にもう一度来てください」と言われました。しかし、父と長姉の経過を見ていたことから、無治療のまま数値が悪くなってしまってからでは遅いのではないかと考え、さらに家族からも、「数値に異常がない今のうちから、何か手を打っておくべきではないか」という意見が挙がりました。そこで再度、くも膜下出血で入院した病院に戻り相談したところ、ADPKDの専門医を教えてくださり、紹介状を書いていただくことになりました。あの頃、数値にまだ異常がないからといって手をこまねいていることなく、積極的に治療の道を探したことは非常に良い決断だったと思っています。

Q 日常生活ではどのようなことに注意していますか? Q 日常生活ではどのようなことに注意していますか?

生活の面で特に気を付けていることや、制限しているようなことはほとんどありません。最近は、休みの日などに近くの公園を散歩し、2駅先まで歩いて買い物に行くなど、積極的に歩くようにしています。ただし、病気のためというわけではなく、40歳を過ぎてごく普通にメタボ予防や筋力強化を心掛けようと思ったからです。ADPKDだからといって、自分自身で“これをしてはいけない”、“あれをしなければならない”といったように厳しくするとストレスになりますから、あまり気を遣い過ぎない方がいいのではないでしょうか。

Q 食生活の面で気を付けていることはありますか? Q 食生活の面で気を付けていることはありますか?

塩分は控えるように心掛けていますが、わが家の食事は昔から薄味が基本だったため、あまり苦ではありません。自宅では塩分50%カットの醤油や味噌を使い、和風だしやコンソメなども塩分控えめの商品を選んで買っています。外食だと塩分が多くなりがちですが、会社や友人との付き合いの席には普通に参加します。塩分が少なそうなメニューを選び、ソースなどは別皿に分けてもらって量を調節するなどの工夫をすれば、外食も楽しむことができます。家で毎日晩酌することはありませんが、お酒の席には好んで参加しています。

Q ADPKDに対する治療の存在を知った時はどう思われましたか? Q ADPKDに対する治療の存在を知った時はどう思われましたか?

私の場合、くも膜下出血での入院中にADPKDと診断されましたが、その時点で間もなく治療薬が承認されるということを知りました。そして、後にADPKD治療の主治医になっていただいた先生からは、「希望を持って一緒に頑張りましょう」という言葉を掛けていただきました。患者としてはそれだけで “病気に対して前向きに付き合っていこう”という励みになるものです。治療が進歩していること、そして一緒に頑張ってくれる先生がいることは、患者にとって大きな希望になります。

Q 今後の目標についてお聞かせください。 Q 今後の目標についてお聞かせください。

病気が分かってからも私は年に数回は旅行に行き、外食やお酒の席にも参加します。暖かくなったら、趣味である海釣りにも出掛けたいと思っています。正直、以前の生活と比べて大きくセーブしていることはありません。それができるのは、やはり病気について知るべきことはきちんと知って治療にしっかり取り組み、必要以上にナーバスにならず、生活に制限をかけ過ぎないよう心掛けているからだと思っています。これからも変わらず、自分のペースで生活していきたいですね。

ADPKDと診断された患者さんへのメッセージ

ADPKDと診断されると、いろいろなことを制限したり、諦めたりしなければならないと思うかもしれません。しかし、病気から目を背けず、しっかりと情報を収集して、主治医と相談しながら病気を理解していくことで、無理なく生活するための日常の工夫などが見えてきます。今は新しい治療がありますし、必要以上に悲観的になることなく未来への希望を持って前向きに考える――そうすれば、生活の質も自然に上がります。とにかく大切なのは、無理をしてストレスをためないこと。できるだけ気長に構えて、人生を楽しんで過ごしたいものですね。

ADPKDと診断されると、いろいろなことを制限したり、諦めたりしなければならないと思うかもしれません。しかし、病気から目を背けず、しっかりと情報を収集して、主治医と相談しながら病気を理解していくことで、無理なく生活するための日常の工夫などが見えてきます。今は新しい治療がありますし、必要以上に悲観的になることなく未来への希望を持って前向きに考える――そうすれば、生活の質も自然に上がります。とにかく大切なのは、無理をしてストレスをためないこと。できるだけ気長に構えて、人生を楽しんで過ごしたいものですね。

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