水分補給とADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)について
人間は身体の水分が少なくなると、尿を濃縮してその量を少なくします。その時に働くのが抗利尿ホルモンといわれるバソプレシンです。朝起きた時の尿が濃いのは、寝ている間にバソプレシンが脳から分泌されて、それが腎臓に働くからです。
ADPKDの患者さんでは、このバソプレシンの刺激により嚢胞が⼤きくなることが知られています。したがって、なるべくバソプレシンが分泌されないように身体の水分を保つ必要があります。
バソプレシンは、のどが渇いているとき(口渇)に分泌されます。その結果、尿の⾊が濃くなります。これが「水分が足りない」というサインです。このサインが出ないようにするためには、のどが乾かないようにこまめに⽔分を補給することが大切です。
飲み物の種類としては、多くのカロリーや塩分が含まれるものは避ける必要がありますが、特に種類というより水分を摂るということの方が大切です。ジュース、カロリーの多い水、経口補水液などはよくないですが、炭酸飲料、スポーツドリンクでも飲みすぎなければ構いません。ただ、アルコールやカフェインを多く含むコーヒーなどは利尿作用があり、本当の意味での水分補給にならないと考えてください。
⽔分を摂ることで、ADPKD患者さんに起こりやすい尿路感染症や尿路結⽯の予防効果も期待できます。
⽔分の摂取量については、あなたの腎臓の機能に応じて調整する必要があります。必ず主治医の先⽣と相談しましょう。