腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。
[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

「尿」で知る腎臓の病気

第4回 尿の排泄によるデトックス作用第4回 尿の排泄によるデトックス作用

血液と腎臓の働き

デトックスとは、一般的に体内に溜まった老廃物や毒素を排出させることをいいます。ここでは主に腎臓を経由したデトックスについて解説します。

私たちが食事などで体内に取り込んだものは、体内で代謝されて体外に排泄されます。
代謝によってできた老廃物や毒素などは主に便と尿になります。

水に溶けない物質は、肝臓から腸の中に送られ便として排泄されます。水に溶ける物質は、腎臓でろ過されたのちに膀胱に送られ尿として排泄されます。

たんぱく質が代謝されてできる尿素やクレアチニンなどは、尿として排泄される物質です。
そのため、腎臓の機能が低下するとこの排泄が十分できなくなり、腎機能低下の程度に比例して体内に蓄積してしまいます。腎臓の機能(ろ過機能)を知る検査として血中のクレアチニンを測定するのは、このためです。何らかの原因で腎機能に異常をきたしている場合は、クレアチニン値(濃度)が上昇します。

このような老廃物と一緒に、有害物質が溜まることで起こるのが尿毒症です。

尿毒症になると、倦怠感や食欲不振、皮膚のかゆみ、高血圧など、様々な症状が現れてきます。さらに意識障害や肺水腫、心膜炎、脳出血などを起こし、重症な状態に至ることもありますので注意が必要です。

腎臓のろ過機能を代替する透析治療が一般的になる前の1975年以前は、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)患者さんの死亡原因に尿毒症が約1/4を占めていました(図)。
透析が普及した1975年以降は尿毒症による死亡の割合は1%に激減しています。

血液をろ過して尿がつくられる

老廃物や毒素を体内に溜めこまないためには、便や尿の排泄が重要になります。

尿を作り出すためには、まず、水分を十分にとる必要があります。
身体が必要とする水分は、気温や活動状況によっても異なりますが、穏やかな環境で普通の生活をしている場合、一日で2.5リットルとされています(※)。

また、利尿作用のある食品を食事に摂り入れることも、老廃物や余分な水分を溜めこまないために有効です。
食品の中に含まれる、利尿作用のある成分としては、カフェインやカリウムがあります。
カフェインはコーヒーやお茶など、カリウムは、シジミ、キャベツ、スイカなどに多く含まれています(表)。

ただし、腎臓の機能が低下している場合、カリウムを摂りすぎると腎臓に負担をかけることがあります。
病気の治療をしている方は、医師や看護師に相談してください。

※厚生労働省ホームページ「健康のため水を飲もう」推進運動 参考

2016年12月作成
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