腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。
[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

腎臓にやさしい生活習慣を知ろう

第1回 腎臓と食生活第1回 腎臓と食生活

腎臓の働きを守るためには「減塩」が大切

食生活ではまず、塩分の摂り過ぎに注意しましょう。

腎臓は食事として摂取した塩分を尿として排泄するという働きをしています。そのため、塩分を摂り過ぎると、過剰排泄となり、腎臓に大きな負担がかかります。

腎臓の働きを守るにあたって、「減塩」はとても大切です。

現在、日本人の塩分摂取量は1日11~12gといわれていますが、厚生労働省は生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底を図るため、平成27年から1日の食塩摂取の目安を男性は8g以下、女性は7g以下と定めました。ちなみに血圧の高い人の目標は6gです。

最近では、食品のパッケージに栄養成分表示が義務付けられていますが、「塩分」とは「食塩相当量」のことを指します。「食塩相当量」が表示されていない場合でも、「ナトリウム量」から右記の計算式で簡単に算出することができます(表)。

高血圧を合併しやすい常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の患者さんも、塩分の摂り過ぎには十分に注意してください。

「たんぱく質」の摂取量をコントロールする

腎臓は食事として摂取した「たんぱく質」を代謝し、尿素(※1)やクレアチニン(※2)などの老廃物を尿として排泄しています。

たんぱく質を多く摂り過ぎると、腎臓からしか排泄することができない尿素やクレアチニンなどが体内で増加し、腎臓への大きな負担になります。

そのため、腎臓の働きが低下している人は、たんぱく質の摂り過ぎに注意しましょう。

しかし、たんぱく質は3大栄養素の1つであるため、良質のたんぱく質については適度に摂取する必要があります。

腎臓の働きに合った量を、主治医と相談しながら摂取するようにしましょう。

  • ※1 尿素(にょうそ):たんぱく質が分解されるときにできる老廃物
  • ※2 クレアチニン:クレアチンという有機酸が代謝された後に出てくる老廃物

「水分」を積極的に摂取する

腎臓には体の水分量を調節する働きがあります。

適度な水分補給を行わないと脱水症状を引き起こし、腎臓に負担をかけてしまいます。

腎臓に負担をかけないためにも水分補給をこまめに行うことが大切です。

ADPKDの患者さんでは、水分が不足して脱水になると、のう胞が大きくなるといわれています。

1日2リットル程度を目安に水分を摂取しましょう。

ただし、腎臓の働きが低下している方は、医師と相談の上で水分摂取量を決める必要があります。

腎機能の低下を防ぐためには、普段から腎臓にやさしい食生活を心がけることが大変重要になります。

2016年11月作成
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