腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。
[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

透析のいろいろを知ろう

第3回 透析と日常生活第3回 透析と日常生活

透析と仕事の両立

透析療法を導入するにあたって「仕事と透析の両立」ということに対して不安を感じる人は少なくありません。

しかし、現代の透析療法は多様性がありますので、その人の働き方に合った透析療法やスケジュール(図1)を選択して、仕事を続けている人は多くいらっしゃいます。

血液透析の種類とスケジュール

日本の透析患者さんの95%以上(※1)が行っている血液透析の一般的なスケジュールは、週3回、1回4時間~5時間、多くは日中に通院で行います。時間帯はそれぞれの患者さんの日常生活のパターンに合わせて決められます。

最近では夜間の睡眠時間を利用して透析を行うオーバーナイト透析(深夜透析)も行われていますが、まだ施設は限られています。透析施設と同じ機器を自宅に設置して行う在宅透析(家庭透析)もあります。

腹膜透析の種類とスケジュール

ご自身や介護者で行う腹膜透析は、通院が月1〜2回と少なくて済み、また、自宅や職場でのライフスタイルに合わせた透析手法が選択できるため、社会復帰がしやすいといわれています。

腹膜透析には、1日に4~5回透析液を交換するCAPD(連続携行式腹膜透析)と、日中の交換をなくし、夜間就寝時に透析装置を使って透析液を交換するAPD(自動腹膜透析)があります。

APDは日中の自由な時間を多く確保するために開発された透析方法です。通学や通勤が必要な児童、学生、社会人を中心に腹膜透析患者さんの約40%(※1)がこの方法で透析を行っています。

このように現代の透析療法は多様性がありますので、仕事の都合に合わせた透析を選択することが可能です。主治医とよく相談して透析の環境を整えていきましょう。

  • ※1「わが国の慢性透析療法の現況」(2014年12月31日現在)日本透析医学会

透析と食生活

長期にわたって透析を続けていると様々な合併症が起きてきます(表2)。

合併症のない透析生活をしていくためには、食事はとても大切です。医療従事者や管理栄養士によって決められたカロリーやメニューをきちんと守って食事制限をしていきましょう。

食事療法は「食べたいもの」や「好きなもの」を全く食べてはいけないというわけではありません。

タンパク質、塩分、水分などを中心に、食べる量を制限したり、そのバランスを考えるということです。

カリウムの制限

カリウムは尿に出ていくので透析では高くなりがちです。高カリウム血症は不整脈の要因となります。高カリウム血症を防ぐために、カリウムの摂取量に気を付けましょう。カリウムは、生野菜、果物、肉類、芋類に多く含まれています。また、ドライフルーツには濃縮されたカリウムが多量に含まれているので摂らないように心がけましょう。

水分の制限

透析が始まると「体に入る水分量」と「体から出される水分量」のバランスが崩れ、体内の水分は過剰になります。そのため、飲水量を制限する必要があります。水分の摂り過ぎに注意し、コントロールすることが大事です。

塩分の制限

塩分を多く摂りすぎてしまうと、むくみや高血圧を起こしやすくなり、心臓への負担も大きくなります。また、喉が渇き水分がほしくなり、水分管理が難しくなってしまいます。塩分控え目を心がけ、調理法や味つけなどで、おいしく食べる工夫をしましょう。

また、食事の内容を記録し、それをもとに管理栄養士のアドバイスを受けることも大切です。

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