腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

腎臓は「尿をつくる」ほか、生命・健康の維持のための重要な役割を担っています。腎臓についてよく知り、いたわる気持ちを育んでいきましょう。
[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 教授 / 第四内科 兼任教授 土谷 健 先生

腎臓が悪くなると出てくる「各症状」のいろいろを知ろう!

第3回 多発性のう胞腎(PKD)の特徴的な症状第3回 多発性のう胞腎(PKD)の特徴的な症状

のう胞が大きくなると『腹部膨満感』を感じる

おなかが張ったり、圧迫感を感じる症状は「腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)」と呼ばれます。

多発性のう胞腎(PKD)では、腹部膨満感の症状が特徴的です。

これは病気の進行に伴い、のう胞が大きくなると、腎臓や肝臓も大きくなり、胃や腸など周囲の臓器を圧迫するため、腹部膨満感などの自覚症状を感じるようになります。

また、食欲がなくなったり、それに伴う低栄養を生じる場合もあります。

『脳動脈瘤』と遺伝性の病気

PKDの特徴的な症状として「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」があります。

脳動脈瘤とは、脳内の血管にできた膨らみ(こぶ)のことで、破裂すると、“激しい頭痛”などの症状が現れ、くも膜下出血を起こし、命を落とす危険性が高いことが知られています。

脳動脈瘤の原因については遺伝的要因と環境的要因があり、家族歴がある場合、発症リスクは高くなるといわれています。

また、常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)など、ある種の遺伝性の病気の患者さんに脳動脈瘤ができやすいとされており、動脈壁に存在する異常が原因と考えられています。

ADPKDの患者さんは一般の方より脳動脈瘤ができる割合が高く、家族に脳動脈瘤になった人がいる場合で約16%、いない場合で約6%に脳動脈瘤の合併が認められています。

ADPKDの診断は『画像検査』が有用

ADPKDの診断には超音波検査(エコー)やコンピュータ断層撮影(CT)などの画像検査が有用です(表1)。

画像検査では、腎臓の大きさとともに、のう胞の数やその大きさなどを観察しています。

ADPKDは画像検査のほか、血液検査や自覚症状により発見されることも多いようです。

多発性のう胞腎(PKD)の症状としては腹部膨満感や、先の肉眼的血尿が見られることもあります。

また、のう胞が大きくなると腎臓の働きが低下し、慢性腎臓病(CKD)の症状を示すため、血圧も上がります。

さらに特徴的症状として脳動脈瘤があります。この診断には画像検査のMRI+Aが有用です。

多発性のう胞腎(PKD)は重症化すると、合併症である脳動脈瘤などで、危険な状態になる場合もありますので、早期に発見して対策をとることが必要とされています。

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